阿部 公彦 小説的思考のススメ: 「気になる部分」だらけの日本文学

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【内容紹介】
大江健三郎の作品が〈何となく頭に入らない〉のはなぜ? 太宰治の登場人物が〈丁寧〉に喋るのはどうして? 佐伯一麦の主人公がいつも〈私〉のわけは?――気になる部分に注目すれば、作品に凝らされた仕掛けが見えてくる。読み方のコツを知り、このジャンルに独特な“頭の働き"を鍛える小説入門。

【主要目次】
はじめに――小説には読み方がある
I 「一字一句」を読む
第1章 太宰治『斜陽』――やけに丁寧にしゃべる人ですね
第2章 夏目漱石『明暗』――この会話は何を隠しているのでしょう?
第3章 辻原登「家族写真」――「は」の小説と「が」の小説
II 「女の言葉」に耳をすます
第4章 よしもとばなな「キッチン」――いきなり「好き」はないでしょう?
第5章 絲山秋子「袋小路の男」――ずいぶん小さな声の語り手です
第6章 吉田修一『悪人』――女の人はみな嘘をつくのですか?
III 「私」の裏を見る
第7章 志賀直哉「流行感冒」――「名文」って何ですか?
第8章 佐伯一麦「行人塚」――「私」が肝心なときに遅れるのはなぜ?
IV 「小説がわかる」ということ
第9章 大江健三郎『美しいアナベル・リイ』――そんなところから声が聞こえるなんて
第10章 古井由吉妻隠」――頭は使わないほうがいいのでしょうか?
第11章 小島信夫抱擁家族』――この居心地の悪さはすごい!
読書案内
おわりに――小説は宝の山

 

うーん、これも阿部先生なのだがいまいちだった。あまりにどれも読みを変えようとしていなくて、従来の読みの補強のための細部、という構造になってしまった印象。

ただ吉田修一の『悪人』論はよかった。物と言葉の入れ替えという視点を真実と嘘の揺らぎに持っていったのはなるほどなーと思った。

 

以下は参考になりそうだったため、めも。阿部先生おすすめの批評本とのこと。こーいうもの選ぶのか―とまぁ納得。福田和也よまねば。

蓮實重彦「表層批評宣言」「物語批判序説」「夏目漱石論」

柄谷行人「畏怖する人間」「日本近代文学の起源

高橋源一郎文学じゃないかもしれない症候群

福田和也「日本の家郷」

→まとめたのが「ニッポンの思想」(佐々木敦